
- 『TAJOMARU』
監督:中野裕之
出演:小栗旬、柴本幸、田中圭、やべきょうすけ、池内博之、本田博太郎、松方弘樹、近藤正臣、萩原健一 ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
2009年9月12日より、
丸の内ルーブル他 全国ロードショー
『TAJOMARU』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/tajomaru/
(C)2009「TAJOMARU」製作委員会
<STORY> 時は乱世。何不自由ない家柄に生まれながら、大盗賊「多襄丸」を名乗ることになった男・畠山直光(小栗旬)。血肉を分けた兄、弟のようにかわいがってきた家臣、そして心の底から愛した女……。誰よりも信じていた者たちのまさかの裏切りによって一変した人生。しかし、何もかも失くした絶望の淵にあってなお、思いもよらぬところに見つけた友情の絆。信頼と不信がすっかり逆転したかに見えたそのとき、再び、そのすべてが揺らぎ始める。多襄丸に起こった出来事のひとつひとつに裏があり、裏から見れば同じひとつの出来事がまったく違って見えてくる……。どんでん返しに次ぐどんでん返し。ひっくり返る信頼と裏切り。見えない真実に翻弄される多襄丸が、最後にたどり着く場所とは?

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小栗 旬
82年、東京都出身。小学6年からエキストラを始め、98年のドラマ「GTO」で連ドラ初レギュラー出演。その後、ドラマ「ごくせん」(02)、「救命病棟24時」(05)、映画『キサラギ』(07)などでメキメキと頭角を現し、『花より男子 ファイナル』(08)、『クローズZERO』(07)、『クローズZEROⅡ』(08)で人気を不動のものに。蜷川幸雄が演出の舞台「カリギュラ」(07)、「ムサシ」(09)でも卓越した演技力を炸裂。今夏、『SURELY SOMEDAY』(仮)で監督に初挑戦。
(C)石川拓也
『絶対、女を捨てない
でも、
女の人は一生わかんないと思う』
黒澤作品『羅生門』の原作、芥川龍之介の「藪の中」を元に描かれた『TAJOMARU』。愛を貫き、信念を守り抜くが故に、貴族・畠山直光から盗賊・多襄丸へと変わらざるを得なかった男の熱い生き様を演じた小栗旬さんにきいた。
―― この作品のキャッチコピーは『絶対、女を捨てない。己を曲げない。そして、どこまでも自由。』という刺激的なものなのですが、それぞれで小栗さんとの共通点を教えてください。まず、女を捨てない。
「捨てないようにはしているつもりですけど(笑)。直光のように、ここまで一人の女性を愛せるかといえば、わからないですね。直光は何故、阿古(柴本幸)をここまで愛せたんだろうと疑問に思うこともありました。女の人はホント、わからないですよね。一生わかんないと思うな」
―― 己を曲げない。
「努力しております! 僕らの仕事は妥協の連続のような部分もあるけれど、極力妥協はしたくない。自分を殺してまで演技をするくらいなら、無理してこの世界にすがる必要はないと思っています。「自分自身を貫く」という信念は曲げたくないですね」
―― では、自由は?
「自由にやらせてもらっていると思います」
『もしここで役者人生が終わっても
悔いはないと言える体験』
―― この作品に関して「もしここで役者人生が終わっても、役に没頭できる体験ができたのだから悔いはない」とコメントされていましたが。
「僕は頭で考えちゃうタイプで、芝居しながらも自分を冷静に見ている部分があるんです。没頭したくても頭でブレーキをかけてしまう。だから、爆発的な集中力とエネルギーを持っている俳優さんにずっと憧れていて…。同世代で言うと、山田孝之がそう。スタートがかかった時の集中力のレベルが違うんですよ。彼の芝居を見てるとゾクゾクするし、楽しくてしょうがない。今回初めて、自分がそこに近づけたんじゃないかと思う瞬間があったんです。残念ながら、そのシーンは全部カットされてしまったのですが、自分でも全然覚えてないくらい没頭して、役と一体化していた。スタートの声がかかったのは覚えているんですけど、気が付いた時には風呂に入っていたんです。記憶のない時間は小栗旬ではなく、100%直光だった。そう思いたいですね。自分の中で今まで越えられなかった壁を少し飛べたかな、と思っています」
―― 山田孝之さんは、「撮影期間中は撮影が終わっても常に役が離れない。むしろ、役と寄り添っていたい」とおっしゃっていましたが、小栗さんも役が離れないタイプですか。
「引っ張られることは多いですね。直光が全てを失い絶望するシーンを撮った日は、ホテルのロビーで涙が止まらなくて、動けなくなってしまったんです。最近、役者として集中できていない自分を感じていたので、そこまで集中できる環境を得られたことは幸せだと思いました」
『2ヵ月で60升飲みました
共演者とのオンとオフの時間』
―― 今回、松方弘樹さん、萩原健一さんといった大ベテランと共演していますが、先輩から学んだことは?
「二人とも憧れの先輩だし、教えていただいたこともたくさんあります。でも僕は、芝居は先輩から学ぶものではないと思っているんです。芝居は技術を積み上げて、ある一定のところまでくると根本が固まり変わらなくなるんです。そうなった時にできることは、年を重ねること。年を重ねることで感じるものや見えるものが変わってくると、芝居も変わってくると思うんです。だから、先輩からは姿勢や、生き方を学ぶことはあるけど、根本の芝居はその人なりの考え方であり、その人の生き様だから、学ぶものではないんです。自分がどういう人生を生きているかを、自分という道具を通して人にぶつけるものなんだと思います」
―― 『クローズZERO II』でご一緒されたやべきょうすけさん、綾野剛さんなど、気心の知れた共演者もいらっしゃいます。今回は2ヵ月近く地方ロケを敢行されていましたが、連日酒宴が行われていたとか。
「外での撮影だったので、朝は4時の日の出と共に始まり、夜は日没と共に終わるというスケジュール。早起きなのに、毎日頑張って飲みに行ってましたね。あの2ヶ月弱で、僕は60升くらい飲んだんじゃないかな(笑)。一番強いのは綾野剛。彼はザルです。2位は僕。3位はやべさん。昼は盗賊、夜、宴会の盗賊団を地でいってました」
『生きづらい時代を生きている僕ら
行動を起こすきっかけを
作ってほしい』
―― 読者にこの作品をどのように感じてほしいですか。
「僕らは「生きづらい時代を生きている」と言われているじゃないですか。でも、『TAJOMARU』の時代はもっと生きづらい時代。やりたいことがみつからないと言う人がいますが、この時代は、家柄によって生まれた時から自分の人生が決まってしまっている。今は簡単に情報を得られるし、人とも簡単に繋がれる時代。手に入れたいものが簡単に手に入る、楽な世界に生きていると思える。楽をしていてはダメ、チャレンジしてみないと何も始まらないんです。この作品が、明日何か行動を起すきっかけになったり、活力になると良いなと思います」
―― 小栗さん自身の新しい行動という点では今年、監督業に挑戦されていますね。今は、作り手としての興味が大きいのでしょうか。
「役者としてはたまたま今注目されているだけで、自分が面白い芝居ができるタイプだとは思っていません。だから、僕より面白い芝居ができる人に、面白い環境を用意して、それを撮りたいと思うんです。40歳、50歳になった時に「あの監督の作品に出たい」と言われるようになりたいですね。今は、そのための勉強です」
(取材・文/坂本ゆかり )






















