
- 『ブラインドネス』
監督:フェルナンド・メイレレス
原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
出演:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、伊勢谷友介、木村佳乃、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガル ほか
2008年11月22日(土)丸の内プラゼール他全国ロードショー
『ブラインドネス』公式サイト
http://blindness.gyao.jp
(C) 2008 Rhombus Media/O2 Filmes/Bee Vine Pictures
<STORY>
突然目の前が真っ白になり、視力を完全に失ってしまう謎の伝染病は、一人の日本人男性(伊勢谷友介)の発病を皮切りに、爆発的な感染力で全世界に拡がっていく。この「白の闇」の脅威に対し、政府は感染者の強制隔離を始める。その場所には唯一目の見える女性(ジュリアン・ムーア)が、盲目を装い夫に付き添うために紛れ込んでいた。謎の伝染病によって視力を奪われた人間たちは、やがてその本性をさらけ出していく。失明するより怖い。一人だけ見えていることが・・・。

『ブラインドネス』は今年のカンヌ映画祭
オープニング作品に選ばれた。

カンヌでの『ブラインドネス』チーム

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木村佳乃
76年東京都生まれ。中学時代をニューヨークで過ごす。96年NHKドラマ「元気をあげる~救命救急医物語」で主演デビュー。97年映画デビュー作『失楽園』(森田芳光)で日本アカデミー賞新人俳優賞、05年の『蝉しぐれ』(黒土三男)では同優秀主演女優賞を受賞。以降も映画、ドラマ、舞台、CMなど幅広い分野で活躍。08年は本作以外にも『全然大丈夫』、『相棒-劇場版-』、『おろち』、『次郎長三国志』に出演。09年1月には『誰も守ってくれない』(君塚良一)が公開に。
『国際作品でのコミュニケーション
気配りのポイント』
女優とは美しいものなのだが、彼女は内側から光を放ち、人を魅了する。『シティ・オブ・ゴッド』『ナイロビの蜂』などで世界的に評価の高いフェルナンド・メイレレス監督の最新作『ブラインドネス』では、そうそうたる海外の俳優たちと共にメインキャストを演じている。国際舞台で凛とした日本女性の美を際立たせる女優、木村佳乃さんにお話しを伺った。
―― 海外作品でありながら、日本人が重要な役どころであるこの作品への出演経緯と、日本と海外での撮影の違いがありましたら教えてください。
「この役は日本人だけでなく広くアジアの俳優の中からキャスティングするということで、オーディションが行われました。最終のカメラテストは日本で行われ、そこで出演が決まりました。撮影はカナダ、モンテビデオ(ウルグアイ)、ブラジルで3ヶ月ほど。海外作品では短い撮影期間です。海外ではユニオンの協定で、撮影は1日11時間と決まっているんです。例えシーンの途中でも時間が来たら終了。日本では徹夜になることもありますから、そこが一番の違いですね」
―― 木村さんの場合、言葉は問題ないと思いますが、インターナショナルな作品ということで、スタッフ、キャストとのコミュニケーションで気を配ったことなどありますか?
「撮影現場にはアメリカ人、日本人、ブラジル人、メキシコ人がいました。それぞれの国で習慣や文化が違うので、なるべく誤解が生じないように話し合うことを心がけました。私たちには当たり前でも、文化が違うと失礼になることもありますからね」
『思い合い、尊重しながら努力する
そんな夫婦関係に憧れる』
―― 伊勢谷友介さんとの夫婦ふたりのシーンでは、日本語の会話が出てきます。お互いの心が離れかけていた夫婦が、また関係をみつめ直す大切なシーンも日本語でしたが、おふたりで話し合ってセリフを決めたとか。
「相談したシーンもありましたが、すれ違いのある夫婦の会話はちょっとギクシャクするものなので、予定調和にならないようにお互いの出方を見ながらアドリブで臨んだ場面もありました」
―― この作品では、夫婦の絆や人間の本質を見極めるということもテーマのひとつだと思います。木村さんの理想とするパートナーとの関係とは?
「主演のジュリアン・ムーアは撮影中にいつも旦那様の話をしていたんです。今回、『ブラインドネス』が東京国際映画祭の特別招待作品に選ばれて、ご夫婦で来日されたので私も初めて旦那様にお会いしたのですが、彼は優しくて、ユーモアがある上にハンサムなんです! おふたりは本当に仲が良くて、お互いを思い合って、尊重しながら努力もしあって夫婦の絆を築いているのを感じました。ジュリアンは、女優としてのキャリアもしっかり確立しているけれど、女性としての私生活もとても幸せなんだな、と思います。彼女のような夫婦の関係に憧れますね」
『世界から見た日本映画
クロサワの後を切り開く使命感』
―― 今年のカンヌ国際映画祭のオープニング作品に選ばれた『ブラインドネス』。木村さんがレッドカーペットを歩く姿や、『トウキョウソナタ』の受賞も大々的に報道されました。海外では今、日本の映画業界に対する期待が大きいのではないでしょうか。
「今回、初めてカンヌに行ったのですが、街全体が映画祭になるのは圧巻でした。海外メディアからよく名前が挙がるのは、やはりクロサワ(黒澤明監督)。ヨーロッパでは、是枝裕和監督、三池崇史監督の評価も高いですね。『ブラインドネス』のメイレレス監督も黒澤監督の『七人の侍』の大ファンなんです。黒澤監督が築いてくれた世界への道を、次の次の世代となる私たちが更に切り開かなければ、という使命を感じます」
『女優は好きでやっている仕事
できるだけ楽しくやりたい』
―― 女優という仕事、どのように臨んでいるのでしょう。
「好きでやっている仕事です。大変な時もありますが、できるだけ楽しくやりたいと思っています」
―― 今後、どのような役柄に挑戦していきたいですか?
「女優としても女性としても、女性を描いている作品、女性に強いメッセージを発する作品に取り組んでいきたいと思っています」
―― 木村さんと同世代であるCara Carina読者に『ブラインドネス』の見どころを教えてください。
「この作品は、なぜ目が見えなくなってしまったかを解明する謎解きの映画ではなく、人間が究極の状態に追い込まれた時の本質を描いている作品です。もし、私の身に同じことが起こったら私が演じた女性のように状況を受け入れ、立ち直れるかわからない。本当に究極の状態になってみないと自分がどうなるかわかりません。でも、自分のことも他人のことも、わからないから人間は面白いのかもしれません。この作品を見て、人間の本質を覗いてみてほしいです」
醜さをも含んだ"人間の本質"、"愛するということ"を"白い闇"という状況下で赤裸々に描く『ブラインドネス』。あなただったらこんな事態に陥った時、どうすると思いますか?
(取材・文/坂本ゆかり )
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