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- 『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』
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『花よりもなほ』
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『虹の女神 Rainbow Song』
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普通の人をより普通に演じる
岡田准一さんの魅力
前回、『たみおのしあわせ』でインタビューさせていただいた時、麻生さんが人生の転機で出会った作品だという『時効警察』と『夕凪の街 桜の国』を紹介しいるので、今回は共演者である岡田准一さんと、熊澤尚人監督の作品をご紹介。
岡田さんが俳優として大注目されたのはTVドラマ『木更津キャッツアイ』。昼は草野球チーム、夜は窃盗団という悪友5人組の青春群像劇。イケメン岡田さんが、余命わずかながら、ちょいエロでおバカで無骨な青年・ぶっさんをリアルに演じ、女子だけでなく男子人気も急上昇。気鋭の宮藤官九郎脚本、個性的な先輩俳優や同世代の俳優たちとの共演は、同時期アイドルという仕事に疑問を感じ煮つまっていたという彼に、新たな光を見出させたのではないだろうか。本作の映画化作品が岡田さんの初主演映画となった。
熊澤監督が印象的な演技だったと語っているのが『花よりもなほ』の岡田さん。演じたのは父の仇討ちのために江戸に出てきたのに剣の腕はまったく立たない腰抜け侍・青木宗左衛門。この青年がまた、主役なのに地味なんだな~。でも市井に生きる普通の男を、悪目立ちせずに普通に演じることができるのが、岡田さんのスゴイところ。熊澤監督もきっとそんな姿を『おと・な・り』の聡に重ね合わせたのではないだろうか。
岡田さん自身、恋愛映画は見ないし、演じるのも得意ではないそうで、今まで避けてきたところもあるのだとか。『おと・な・り』では、恋愛映画にありがちな歯の浮くようなセリフがなく、等身大の感情や情緒に魅力を感じ出演を決めたという。特にキャッチコピーとして使われている「初めて好きになったのは、あなたの生きている音でした」に惹かれたそう。
岡田さんの出演作を見直すと、好きな男上位ランキング常連なのに"モテない"設定の役ばかり。う~ん、制作サイドのひがみ? でも、麻生さんも言っていた通り、"カッコイイ自覚がない"っていうのが彼の良いところ。生まれついての美形は、美形であることが当たり前なので自覚がないのよね。笑顔が仕事のアイドルながら決して太陽が似合う青年ではなく、パーソナルな悩みを抱える役が似合う岡田さん。これまで、何作か彼の作品を紹介しているが、私的岡田作品のオススメは『フライ,ダディ,フライ』と向田邦子作品『冬の運動会』。興味があれば、是非見てみてね。
乙女系監督が紡ぐ
女の子の揺れる感情
熊澤監督は、青春映画がいい。特に女の子の揺れ動く感情描写がいい。私の中では"乙女系監督"に分類される。ちなみに他には岩井俊二、犬堂一心がこのジャンルに含まれる(あくまで私の中ではですが)。
『リリィ・シュシュのすべて』『花とアリス』2本の岩井作品での透明感ある少女役が注目されていた蒼井優の初主演作として話題になったのが『ニライカナイからの手紙』。タイトルの"ニライカナイ"とは、水平線の彼方にある幸せの国という意の沖縄言葉。八重山諸島の竹富島で少女時代を過ごした風希(蒼井優)は、東京で暮らす母から誕生日に届く手紙を毎年心待ちにしていた。カメラマンを目指し上京した風希は、「20歳の誕生日に全部説明する」という母からの手紙を読み返し、再会を期待するが・・・。蒼井優の醸し出す10代独特の不安定感と竹富島の美しい風景、そして彼女を見守る暖かい人々。仕事で疲れた心を浄化するには持ってこいの作品。
『虹の女神 Rainbow Song』は、今や大人気の市原隼人、上野樹里の主演作。大学の映研で共に映画を作り、同じ映像制作会社で働く智也(市原隼人)とあおい(上野樹里)。あおいは夢を追いアメリカに旅立つが、飛行機事故で命を落としてしまう。親友として互いに励まし合ってきたふたりだが、失ってはじめて友情とともに育まれていた愛情に気付く。友達以上恋人未満という不器用な甘ズッパイ関係がキュンとくる。
熊澤監督自身も「僕の中には、オーソドックスな主人公らしい人を描いていくのではなく、普通の映画なら脇役になりそうな人を主人公にして、その人の葛藤を描いていきたがる傾向がある」と言っている。彼の作品は、静かだ。物語は淡々と進む。でも、それが日常。等身大の青春、大人と子供の狭間、これが彼の真骨頂だと思う。
文/坂本ゆかり































