『GOEMON』 大沢たかお インタビュー

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『GOEMON』STORY
1582年、天下統一目前に織田信長は本能寺の変で倒れる。信長の後を継ぎ政権を樹立したのは豊臣秀吉(奥田瑛二)。庶民の格差社会に光明を与え、ヒーローとなっていた大泥棒・石川五右衛門(江口洋介)がある日盗み出した箱には信長暗殺の秘密が隠されていた。箱を奪回に来たのはかつて一緒に修行した霧隠才蔵(大沢たかお)。運命に翻弄されるふたりの男の行く末は・・・。



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大沢たかお
68年、東京都生まれ。94年、ドラマ「君といた夏」でデビューし、「星の金貨」(95)など大ヒットドラマに出演。以降、『解夏』(04)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、『地下鉄(メトロ)に乗って』(06)で日刊スポーツ映画大賞、日本アカデミー賞で助演男優賞を受賞するなど、映画中心に活躍。『ラブファイト』(08)ではプロデュースも手掛ける。俳優以外では、4月よりTOKYO FM「JET STREAM」(月~金24:00~24:55)のパーソナリティを務めている。

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『GOEMON』
2009年5月1日より丸の内ピカデリー1他、全国ロードショー
配給:松竹、ワーナー・ブラザーズ映画
監督:紀里谷和明
出演:江口洋介、大沢たかお、広末涼子、ゴリ ほか
『GOEMON』オフィシャルサイト
(C)2009「GOEMON」パートナーズ
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CGで独自の世界観を創出したデビュー作『CASSHERN』で日本映画界に新風を起こした紀里谷和明監督が、5年の歳月をかけて新作『GOEMON』を完成させた。今度の舞台は戦乱の世、安土桃山時代。大泥棒・石川五右衛門と共に修業を積んだ伝説の忍び霧隠才蔵を演じた大沢たかおさんにきいた。
―― 紀里谷監督は独自の世界観を表現するためにCGを使われます。演技はそのためブルーバックの前で行うことに。想像で演技を進める部分も多いと思いますが、世界感の共有は難しくなかったでしょうか。
「撮影に入る前に監督から台本、絵コンテ、美術画、音楽やセリフをつけた膨大な資料をいただきました。作品の世界観を伝達する努力をされていたし、僕らもそれをしっかり受け取っていたので、クランクイン時点では既に世界感の共有はできていました。監督にとってはまだ2作目ですが、監督のそういう努力や、一生懸命トライしようとしている姿勢はスタッフやキャストにも伝わっていて、皆がこの作品を信じ、高い意識をもってのぞんでいた。こんなレベルの高い現場は久しぶりで、刺激になりました」
男には守るべきものがある
問題があっても向き合って生きる
―― 今回大沢さんが演じたのは、石川五右衛門(江口洋介)と共に修業を積み、侍になることを夢見て懐を分かつ霧隠才蔵。求めるものが手に入らず、運命に翻弄される役ですが、どのようなキャラクターとして演じようと思ったのでしょう。
「五右衛門と才蔵は正反対に見えて同じものを持っていて、同じことを感じて生きている。ただ、ふたりの表現手段が違うだけだと思うんです。五右衛門と才蔵は"光と影"・・・、そう思って演じました。亡くなった父が市川雷蔵さんが好きで、作品をよく見ていたんです。雷蔵さんが演じた才蔵は強くてはかなかった。その印象が強く残っていて、役作りという点では、それがベースになっているかもしれません」
―― 五右衛門と才蔵は幼い頃からの友達であり、ライバル。ふたりの男の友情に共感するところはありましたか?
「男は仲が良くても言葉で確認はしない。そういう相手とはむしろ、たまにしか連絡しないし電話も短いんです。でも、イザという時には助け、相手のために犠牲になれる。それが男の友情だと思います。男には守らなければならないものがあるし、問題があってもそれに向かい合って生きていかなければならない。それは今も昔も変わらないんじゃないかな」
―― 大沢さんに、ライバルと呼べる人はいるのでしょうか。
「ライバルはいません。学生時代は負けたくない奴はいたけど、社会に出てからは自分との闘い。欲しいと思って出てくるものでもないし、考えたこともなかったですね」
―― 五右衛門を演じた江口さんとは、事前に話合いなどされましたか。
「役者同士で役について語り合ったことはないですね。能書きはいらない。他の役者さんは話し合いするの? 僕が知らないだけなのかな・・・(笑)。アクションも相談なし。現場はその場の勝負です。とはいっても準備は怠らず、撮影3~4か月前には殺陣を合わせます。相手の出方を想像しながらアクションをするのは、子供の頃にやった仮面ライダーごっこのようで楽しかったです」
大沢たかおの第一章は終わった
リセットしてからが勝負
―― 40歳を過ぎて社会的地位、名声、好きなことをやれる環境が整ったと思いますが、これから俳優として、個人としてやっていきたいことは?
「いや~、まだまだです。いぶし銀の演技とか言わないでね(笑)。19歳でモデルデビューして、20年以上経ちました。正直言うと経験だけして、自分にはまだ何もないと思っています。今年はもう映画の撮影はいったん休んで、リセットすることにしたんです。自分の中の第一章が終わったと考えています」
―― では今、リセット期間中?
「しばらくリセットして過去が整理できたら、俳優としても自分自身としても最後の戦い・・・、最終章が始まれる。それからが一番輝ける数年になると思います。この2~3年、力が出しきれていなかった気がしていて・・・。100%の力を出し切ったと皆さんに言えるようにするには過去を蹴飛ばさなければならない。これまでの経験が逆にマイナスだったりするんです。このままじゃダメ、悩みを持って生きているのがイヤでリセットしたかったんです。今はヨーロッパに逃亡中。今日は『GOEMON』のために捕獲されて、ここに連れてこられちゃった(笑)。久しぶりに撮影などすると緊張しますね。改めてこの仕事はすごい職業だな、と思います」
ここ数年、常に映画に出演し続けていた大沢たかおさん。休むことを拒否するワーカホリックかと思いきや、自身を見つめ直すために現在休養中という驚きの発言。確固たる地位を築いた人でも、現状に甘えず全力を出し切るために模索をしているのだな、と尊敬の念を抱きました。大沢さんの第二章、楽しみにしています。
取材・文/坂本ゆかり
























